2026年8月21日「共同事例検討会」を開催しました
西宮市瓦木在宅療養相談支援センターでは、地域の居宅介護支援事業所の皆様が主体となって開催されている「共同事例検討会」の運営をサポートしています。 2026年8月21日、今年度第2回目の事例検討会が開催され、当センターも事務局として参加いたしました。
この検討会は、地域のケアマネジャー同士が集まり、日々の支援の中で直面する困難な事例について知恵を出し合い、より良いケアのあり方を共に考える貴重な研鑽の場となっています。
【今回の検討のハイライト】
今回のテーマは、「脳血管障害の後遺症を抱え、日常生活における入浴やリハビリ、他者との関わりを強く拒否される高齢者への支援」でした。ご本人に差し迫った生命の危機や著しい皮膚トラブルはないものの、介護サービスや清潔保持の提案を強く拒否される現状に対し、多彩なバックグラウンドを持つプロフェッショナルな視点から、以下のような具体的かつ前向きなアプローチ方法が共有されました。
1. 医学的視点に基づいたアプローチと主治医との連携
本人の行動や拒否の姿勢を単なる「頑固な性格」や「プライド」として捉えるのではなく、過去の脳梗塞による脳へのダメージ(高次脳機能障害や認知機能の低下など)が背景にある可能性に着目しました。性格ではなく病気の影響として理解することで家族や支援者の心理的負担を軽減し、お薬の内服が良好にできているという強みを活かして、往診医へ自宅での様子を共有しながら穏やかに過ごせるような処方調整を相談する方向性が示されました。
2. 心地よさを優先する「スモールステップ」の清潔保持
「入浴」という高い目標を掲げて無理強いするのではなく、本人が心地よいと感じる体験から少しずつ始めていく方法が提案されました。たとえば、普段の食事やコーヒータイムに温かいおしぼり(ホットタオル)をそっと手渡して手顔を拭いてもらう、あるいは手洗いや足湯など、本人の生活リズムや自立心を尊重した小さな清潔ケアから段階的に進めていく工夫が共有されました。
3. 信頼関係(ラポール)の継続と本人のサインの見極め
関係構築に時間をかけ、毎月の定期訪問を通じてケアマネジャーが築いてきた関係性を大切にし、本人の好きな趣味や話題に寄り添い続けることの重要性が再認識されました。また、本人が発するわずかな意欲や変化のサイン(「来てくれたのか」といった好意的な言葉など)を根気強く見極め、次のアプローチのタイミングを待つ重要性が話し合われました。
【事例提供ケアマネジャーの感想】
事例を提供されたケアマネジャーからは、以下の感想が聞かれました。
「これまではご本人の性格やこだわりだと思い込んで対応に悩んでいましたが、『脳のダメージの影響』という専門的な視点やお薬による調整という具体的な提案をいただき、今後の関わりに大きな希望と突破口が見えました。また、他の事業所でも何年もお風呂に入らないといった同様の事例を抱えながら、焦らず関係を作っていった経験談を聞くことができ、とても心強く、安心感を得られました。」
当センターは、今後も地域のケアマネジャーの皆様が互いに支え合い、専門性を高め合えるこのような連携活動を、事務局として継続的にサポートしてまいります。こうした取り組みを通じて、地域の支援ネットワークがより強固なものになるよう努めてまいります。












