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血圧測定の仕組み

普段から自分の血圧を把握しておくことは、健康維持にとても役立ちます。

 

血圧を測定することにより、心臓から送り出される血液が、どれだけの力で血管の壁を押しているかが分かります(詳しくは「血圧とは?〜バイタルサイン〜」をご参照ください)。この力が弱い状態が低血圧、強い状態が高血圧です。血圧を測定することは、自分の体調の変化に気づくことでもあるのです。

 

この記事では、血圧測定の仕組みについてご紹介します。

 

 

 

ホースから出る水を想像してみましょう

血圧をイメージするためには、ホースから出てくる水を例に考えると分かりやすいでしょう。ホースに水を流して、先端をしっかり指でつぶし、水の流れを止めようとします。すると、水の勢いは強いものになります。その後、指の力をゆるめていくと、水の勢いはふたたび弱く穏やかなものになります。この時にみられる水の勢いの強弱が、水圧と呼ばれるものです。実は水圧の現象を応用して、血圧は測定されています。

 

 

 

血圧を触診してみる

さて、実際に手首の脈が触れる部分を人差し指、中指、薬指で軽くおさえてみましょう。一定のリズムで流れる拍動を感じませんか? いま3本の指の下を流れているのは「橈骨動脈(とうこつどうみゃく)」という動脈です。

 

触れた指で血管を強く圧迫すると血液の流れが遮断され、拍動を感じなくなります。そこからゆっくりと力を抜いていくと、再び拍動を感じ、血液が流れはじめたことが分かります。このタイミングが普段(運動後や緊張状態でなく落ち着いている状態)より早いか遅いかで、ある程度血圧が把握できると言われています。先ほどご紹介した「ホースと水の例」と同じ仕組みですね。ただし、より正確に計測するには血圧計などの機器が必要です。

 

 

 

血圧計による測定の仕組み

かつては血流の音を聴診器で聴きながら測定する水銀血圧計がよく使われましたが、「水銀に関する水俣条約」の採択を受け2021年以降の製造・輸出入は禁止となりました。また世界保健機関(WHO)では、水銀血圧計・水銀体温計の全廃を目指しています。詳しくは日本医師会のサイト「水銀医療廃棄物に関する取組み【医療廃棄物について】(外部サイトが開きます)」をご参照ください。

 

近年では、振動を感知して測定される「自動血圧計」が主流になっています。自動血圧計は「オシロメトリック法」と言われ、上腕に巻いた腕帯を空気で加圧します。血流の遮断と再開を行う過程は、ホースや触診、水銀血圧計とも同じです。発生する振動を腕帯とチューブが血圧計本体に伝えることにより測定されます。

 

 

 

血圧は日々の測定が重要です

血圧は健康な人でも、食事や排泄、入浴などさまざまな条件で変動します。血圧を測っている最中に、会話をしただけでも上がることがあります。特に、白衣高血圧といって、病院を受診したときに緊張して血圧が上がってしまうことがあります。そのため、普段から自宅で血圧を測っておくことが重要です。

 

血圧を測るタイミングとしては、1日2回程度(朝・晩)がよいでしょう。朝は起床後にトイレへ行った後や朝食の前、夜ならお風呂に入って落ち着いた後や就寝前など、決まったタイミングで測ることをおすすめします。自宅での血圧を知っておくことで、普段より高い・低いといった体調の変化が分かったり、病気の早期発見につながります。また、お薬を飲んでいる方は、処方されたお薬がきちんと効いているか、あるいは効き過ぎていないかなどをチェックする上でも有効です。

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