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脱水にご用心!〜暑い時期に気をつけたいこと〜

暑い時期になりました。今回は西宮協立脳神経外科病院 神経内科 名誉院長 立花 久大医師に、この時期に気をつけたい「脱水」について尋ねました。

 

 

 

脱水とはなんでしょうか?

 脱水とは体内の水分の量が不足した状態を言い、いろいろな症状が出てきた場合、脱水症と言います。

 水分喪失量に対して水分摂取量が不足することによって起こります。発熱、下痢・嘔吐、高温の環境、重作業、激しい運動などが原因となります。

 

 

 

脱水はなぜ怖いのでしょうか?

 脱水になりますと血液の量が減り、血圧が低下し、不要な老廃物を排泄する力も低下します。また食欲低下の原因にもなります。さらに骨や筋肉から電解質が失われることで、脚がつったり、しびれが起こることもあります。

 

 脱水症を放っておくと熱中症熱射病へと移行し、体温上昇、めまい、倦怠感、けいれん、意識障害などの症状が起こってきます。

 

 高齢者の場合、脱水症状を起こしているとき、症状はなくとも脳梗塞や心筋梗塞を起こしていることがあります。重症の場合、ショック状態になり命に関わることもあります。

 

 

 

脱水症を予防するためには

 脱水症を未然に防ぐためにはしっかりと予防することが重要です。睡眠不足、体調不良、前日の飲酒、朝食の未摂取なども脱水をきたしやすい状況なので十分な注意が必要です。

 

 特に高齢者はもともと体液が減少し、食事量も減少しがちですので脱水症を起こしやすい状態にあります。したがって早めの対策が望まれます。在宅時はなるべく暑さを避ける服装になる、扇風機などを使い部屋の空気を入れ換える、我慢してクーラーを止めるなど無理な節電をしない、温度計を見て高温多湿を避ける、規則正しい栄養バランスと量を考えた食事を摂るなどの対策をとりましょう。

 

 外出時、体調に異常を感じたら風通しのよい日陰や、クーラーの効いている部屋に行く、きついベルトやネクタイは緩めにするなどして体内からの熱の放散を助けましよう。いつもより尿の色が濃く、量が少ない、わきの下が乾いている、手の甲をつまみ上げた痕が戻らない、口の中が乾燥している、舌が白いものに覆われているなどが見られれば、脱水の早期症状として水分補給が必要です。電解質を含む飲料である経口補水液を飲んで脱水症を防ぎましょう。

 

 

(2016.08発行│広報誌「甲友会ナウ」No.34より)

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