平成30年度 西宮協立脳神経外科病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 53 126 90 135 240 279 492 991 940 334
昨年同様、今回の統計でも超高齢社会を反映し70歳以上の患者割合が62%(一昨年58.3%、昨年61%)と微増傾向が続いています。当院には小児科がないため若年者はおもに頭部、四肢外傷などの外因性由来の入院が大半と考えられますが、総じて昨年と同様に幅広い年齢層に利用いただいております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 143 18.30 20.92 23.78% 85.10
060100xx01xx0x 大腸ポリープ 57 2.30 2.67 0.00% 69.84
110310xx99xx0x 尿路感染症 50 11.72 12.58 8.00% 76.88
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 27 4.85 5.42 0.00% 48.44
100380xxxxxxxx 脱水症 24 19.63 9.12 33.33% 81.54
内科では男女とも肺炎の患者さんが最も多く、女性では尿路感染症も多いです。
特に当院は脳疾患の合併症を持っている高齢の患者さんが多いので誤嚥性肺炎の割合が高くなっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 18 4.50 4.96 0.00% 74.22
060150xx03xxxx 虫垂炎 11 4.36 5.49 0.00% 48.73
060330xx02xxxx 胆のう結石症 - - 6.52 - -
060035xx01000x 大腸癌 - - 15.30 - -
060210xx97000x イレウス - - 14.30 - -
①当院は2次救急病院であることから急性腹症(急性虫垂炎、胆石胆嚢炎、腸閉塞(イレウス)など)の診療機会が多くあり、病状病態に応じた適切な時期(緊急、準緊急あるいは待機的)に手術を行っています。
②大腸(結腸及び直腸)悪性腫瘍は、手術治療を中心とし、進行再発癌に対する化学療法も行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿骨頚部・転子部骨折 169 26.08 26.30 64.50% 83.13
160760xx97xxxx 前腕の骨折 133 2.62 5.68 1.50% 55.44
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 82 2.24 4.13 0.00% 37.18
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 71 4.49 6.07 1.41% 53.61
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 59 8.03 15.48 10.17% 75.93
大腿骨近位部骨折は地域連携パスを利用し、3~4週以内の回復期リハビリ病院への転院により在院日数は4週以内となっています。また骨粗鬆症リエゾンサービスを導入することにより、骨折後の投薬治療、在宅でのリハビリを積極的に導入し、再骨折予防に努めています。
橈骨遠位端骨折(前腕骨折)を含めた上肢の手術は手外科認定研修施設であることもあり、多くの患者さんがクリニックより紹介され、おおよそ2~3日の入院で手術治療をしています。急性期病院の役割を考え、基本的に骨折手術は受診後1~2日以内で行うように心がけています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 外傷性頭蓋・頭蓋内損傷(手術あり) 97 12.10 9.69 8.25% 76.95
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満、エダラボンあり) 86 14.34 16.18 29.07% 73.17
010040x099000x 脳内出血(手術なし) 72 18.08 18.72 47.22% 69.76
160100xx99x00x 外傷性頭蓋・頭蓋内損傷(手術なし) 64 9.36 7.35 7.81% 71.33
030400xx99xxxx めまい症(前庭機能障害) 48 3.15 5.10 0.00% 69.21
交通外傷などの重症頭部外傷などが減少している一方、近年の超高齢社会を反映して、軽微な外傷患者数が増加傾向にあり、外傷後に比較的よく見られる慢性硬膜下血腫患者数が年々増加傾向にあります。脳梗塞患者数は脳神経外科・脳神経内科との協力による積極的な脳卒中急性期治療への取り組みやクリニカルパスの使用により増加しています。また脳卒中連携パスを利用することにより脳梗塞、脳出血患者の中でリハビリテーションが必要な患者さんは、早期より回復期病院への転院をスムーズに行えるような医療連携を行っており、在院日数の短縮を図っています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満、エダラボンあり) 59 15.78 16.18 22.03% 75.29
010230xx99x00x てんかん 28 7.04 7.28 0.00% 57.61
010160xx99x00x パーキンソン病 26 25.12 17.67 23.08% 77.65
010080xx99x001 脳炎・髄膜炎・脊髄炎 23 9.13 12.09 4.35% 41.00
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満、エダラボンあり、心房細動等あり) 17 20.82 18.22 35.29% 79.59
例年同様に当院では脳梗塞は主に神経内科と脳神経外科がシェアし担当しております。脳梗塞はクリニカルパスと脳卒中連携パスを用いて回復期リハビリテーション病院との連携を図り、平均在院日数の短縮に努めております。当院神経内科では頭蓋内感染症やてんかん,めまい等の患者さんの受け入れはもとより,パーキンソン病をはじめとする神経変性疾患患者さんのADL低下時にも入院を勧め,薬剤調整を積極的に行っております。
今年度より頭痛専門外来を設けて片頭痛を初め一次性頭痛に悩む患者さんの治療に当たるとともに生命を脅かす二次性頭痛の発見や治療に努めています。(木曜日午後)
また,めまいでお悩みの患者さんに対してもフレンツェル眼鏡を用いた眼振検査による診断と治療を行っています。(火曜日午後・水曜日、木曜日午前)
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 14 - - - - - 1 7,8
大腸癌 - - - - - - 1 -
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 7,8
肝癌 - - - - - - 1 -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
患者数からみると胃癌、次いで大腸癌が多くなっています。乳癌、肺癌、肝癌の患者さんは少ないですが、これらの癌の治療は専門病院に紹介していることが多いからです。これは当院で5大癌を扱う科が、一般消化器内科・外科ということで、呼吸器、乳腺の専門医が不在であることも一因と考えられます。ステージI,IIで発見された胃癌の割合が多く、今後さらなる早期発見に向け努力したいと考えています。治療としては、内視鏡的治療に加え、腹腔鏡手術、開腹手術、抗癌剤治療を行なっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 33 15.24 77.94
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
当院に肺炎で入院となった患者さんの合計は193名で、そのうち誤嚥性肺炎は150名(78%)、市中肺炎は43名(22%)でした。
市中肺炎の重症度は軽症7名(16%)、中等症20名(47%)、重症16名(37%)でした。
中等症・重症では高齢者が多い傾向にあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 398 18.55 78.27 29.41%
その他 44 19.09 76.91 2.04%
脳梗塞患者数はほぼ例年通りでしたが、3日以内の患者割合が90%(一昨年89.7%)を超え、脳梗塞急性期患者数が少しずつ増加傾向となっています。その中でもtPA症例数がほぼ例年通りの26例含まれており、脳卒中急性期治療への取り組みを継続して行っている結果と考えます。脳卒中急性期患者はほぼ全例当院のSCUにて集中的治療を開始し、高血圧、糖尿病などの全身管理とあわせて早期リハビリテーション、急性期からの栄養管理、早期認知症ケアなど、多職種によるチーム医療にも積極的に取り組んでおります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 63 0.33 1.19 0.00% 70.30
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 17 7.00 17.18 29.41% 79.29
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 10 0.50 7.20 10.00% 76.80
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) - - - - -
当院の外来患者さんは抗血小板薬・抗凝固薬内服中の方が多いので結腸ポリープ粘膜切除術・ESD治療・総胆管結石治療を行う時は抗血小板薬のバイアスピリン内服中の方は継続したままで行い、プラビックスなど他の抗血小板薬内服中の患者さんはバイアスピリンに変更して施行しています。ワーファリン内服中の患者さんは術前にDOACに変更し、治療を行う当日のみDOACを中止し、治療後出血が無い事を確認して速やかにDOACを再開して、後日ワーファリンに戻すかそのままDOACを継続しています。
抗血小板薬や抗凝固薬内服中の患者さんの総胆管結石治療は乳頭バルーン拡張術(EPBD)で行っていますが、
それ以外の患者さんは内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)も併用しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 18 0.89 2.61 0.00% 74.22
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 13 2.00 5.77 0.00% 60.69
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 11 1.00 2.36 0.00% 48.73
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
①胆嚢摘出術及び虫垂切除術は、腹腔鏡下手術を可能な限り第1選択で施行しています。
②結腸悪性腫瘍は、開腹下手術又は腹腔鏡下手術を、症例に応じて行っています。
③ソケイ部ヘルニアは、従来の前方アプローチによる手術と腹腔鏡下手術を、症例に応じて行っています。
④上記術式はすべてクリニカルパスを用いており、治療の標準化・平均在院日数の短縮化に努めています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨・上腕・大腿骨) 176 1.06 14.89 35.80% 76.43
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿・手舟状骨) 147 0.73 4.92 2.72% 58.75
K0463 骨折観血的手術(鎖骨・膝蓋骨・手(舟状骨を除く)・足・指(手、足)・その他 114 0.78 7.70 0.88% 54.11
K0811 人工骨頭挿入術(股) 75 1.41 25.11 69.33% 81.67
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕・下腿) 73 0.45 1.04 0.00% 48.92
高齢者の増加に伴い、大腿骨近位部骨折の手術数は①骨折観血的手術、②人工骨頭挿入術ともに増加しています。術前待機日数は①1.27日②1.38日であり、当日もしくは翌日に手術をすることにより、機能予後(歩行能力)の維持につとめています。術後は地域連携パスを利用し、回復期リハビリ病院に転院し継続リハビリを行っています。骨粗鬆症リエゾンサービスを導入し、投薬、リハビリの継続をうながし再骨折予防につとめています。
手外科研修認定施設であることより、多くの上肢の骨折(橈骨遠位端骨折、鎖骨骨折、上腕骨骨折、手指骨折)の患者さんが紹介受診され、早期手術、早期リハビリにより受傷前のレベルに近づけるよう心がけています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 72 0.50 10.26 8.33% 78.15
K1742 水頭症手術(シャント手術) 35 7.00 19.11 22.86% 78.86
K178-4 経皮的脳血栓回収術 25 0.00 24.96 40.00% 79.32
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 21 4.14 9.57 19.05% 75.71
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 20 1.90 32.60 85.00% 72.10
脳神経外科で最も多かった手術は超高齢社会を反映し、入院患者数も増加傾向が続く慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術でした。診断より手術までの平均日数も0.5日であり、また術後は平均10.26日で9割以上が自宅退院されています。また、当院は以前より水頭症治療(認知症例に対する診断・治療)にも積極的に取り組んでおり、水頭症手術も例年より多くみられます。脳卒中急性期症例に対しては24時間体制で専門医による血管内治療を積極的に取り入れており、経皮的脳血栓回収術も25例と昨年より増加しています。上位3位までの治療は高齢であっても適応症例を十分検討しタイミングよく積極的にベストな治療をすることにより「ねたきりのご高齢者」を増やさないという、これからの脳神経外科医にとっても必要とされる姿勢と考えます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
更新履歴
2019/09/27
平成30年度版に更新
2018/09/27
平成29年度版に更新
2017/09/27
平成28年度版に更新
2016/09/26
新規公開