平成28年度 西宮協立脳神経外科病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 39 144 121 158 273 330 554 976 1009 274
超高齢社会を反映して70歳以上の患者さまの割合が58.3%(昨年57%)となっていますが、その中にあって比較的幅広い年齢層の患者さまにご利用いただいていると考えられます。これは当院の存在する西宮市の高齢化率が、全国平均に比べてまだまだ低く、若年~壮年層の人口が比較的保たれていることに由来すると考えられます。当院には小児科はなく、若年層の入院契機の大半は頭部外傷または四肢の外傷によるものと考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 102 18.99 21.25 24.51% 83.82
110310xx99xx0x 尿路感染症 34 13.97 12.43 17.65% 73.56
100380xxxxxxxx 脱水症 33 12.58 9.33 24.24% 76.42
0400801499x001 肺炎等(誤嚥性肺炎以外) 31 14.06 13.60 9.68% 83.45
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 30 5.20 5.50 0.00% 53.90
DPCコード:040081xx99x00x
DPC名称:誤嚥性肺炎
DPC解説:手術・人工呼吸どちらも実施なし、かつ副傷病名に偽膜性腸炎なし

DPCコード:110310xx99xx0x
DPC名称:尿路感染症
DPC解説:手術なし・かつ副傷病名に誤嚥性肺炎、肺炎等なし

DPCコード:100380xxxxxxxx
DPC名称:脱水症
DPC解説:(分岐なし)

DPCコード:0400801499x001
DPC名称:肺炎等(誤嚥性肺炎以外)
DPC解説:市中肺炎、かつ75歳以上、かつ手術・人工呼吸どちらもなし、かつ副傷病名に胸水、胸膜の疾患・心不全・偽膜性腸炎なし、かつA-DROPスコア1

DPCコード:150010xxxxx0xx
DPC名称:ウイルス性腸炎
DPC解説:中心静脈注射・人工腎臓・人工呼吸いずれもなし


内科では男女とも肺炎の患者さまが最も多く、女性では尿路感染症も多いです。
特に当院は高齢の患者さまで脳疾患の合併症を持っている方が多いので、誤嚥性肺炎の割合が高くなっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 結腸の悪性腫瘍 11 19.55 15.92 0.00% 74.45
060150xx02xxxx 虫垂炎(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) - - 9.91 - -
060040xx99x70x 直腸肛門の悪性腫瘍 - - 4.98 - -
060330xx02xxxx 胆のう結石症 - - 6.82 - -
060150xx03xxxx 虫垂炎(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - - 5.60 - -
DPCコード:060035xx01000x
DPC名称:結腸の悪性腫瘍
DPC解説:後腹膜悪性腫瘍手術・腹腔鏡下小切開後腹膜悪性腫瘍手術・腹腔鏡下結腸切除術・結腸切除術(全切除、亜切除又は悪性腫瘍手術)・腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術のいずれか実施、かつ中心静脈注射・人工呼吸・放射線治療・化学療法なし、かつ副傷病名に肺炎・誤嚥性肺炎・ヘルニアの記載の無い腸閉塞・腹膜炎・敗血症なし

DPCコード:060150xx02xxxx
DPC名称:虫垂炎(虫垂周囲膿瘍を伴うもの)
DPC解説:限局性腹腔膿瘍手術(ダグラス窩膿瘍)・経皮的腹腔膿瘍ドレナージ術・限局性腹腔膿瘍手術(虫垂周囲膿瘍)・虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの)・腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの)のいずれかを実施

DPCコード:060040xx99x70x
DPC名称:直腸肛門の悪性腫瘍
DPC解説:手術なし、パニツムマブ・セツキシマブ・レゴラフェニブ水和物のいずれかを投与、かつ副傷病名に白血球疾患・誤嚥性肺炎・ヘルニアの記載の無い腸閉塞・敗血症・脳腫瘍・肺炎等・骨の悪性腫瘍・腎臓又は尿路の感染症なし

DPCコード:060330xx02xxxx
DPC名称:胆のう結石症
DPC解説:胆嚢切開結石摘出術・腹腔鏡下胆嚢摘出術のいずれかを実施

DPCコード:060150xx03xxxx
DPC名称:虫垂炎(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)
DPC解説:虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)・腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)のいずれかを実施


①大腸(結腸及び直腸)悪性腫瘍は、手術治療を中心とし、進行再発癌に対する化学療法も行っています。
②当院は2次救急病院であることから急性腹症(胆嚢結石症、胆石胆嚢炎、急性虫垂炎など)の診療機会が多くあり、病状に応じて適切な時期(緊急、準緊急あるいは待機的)手術を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 173 23.77 27.63 73.99% 82.59
160760xx97xx0x 前腕の骨折 155 3.34 5.49 0.00% 55.36
160690xx99xx0x 胸椎・腰椎圧迫骨折 74 18.31 20.57 35.14% 78.01
160780xx97xx0x 手関節周辺骨折・脱臼 60 2.37 4.37 0.00% 29.02
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨骨折 47 5.17 5.86 4.26% 51.74
DPCコード:160800xx01xxxx
DPC名称:股関節大腿近位骨折
DPC解説:骨折観血的手術・観血的整復固定術(インプラント周囲骨折に対するもの)・関節脱臼観血的整復術・人工骨頭挿入術のいずれか実施有り

DPCコード:160760xx97xx0x
DPC名称:前腕の骨折
DPC解説:手術あり、かつ副傷病名に脊椎骨粗鬆症・狭心症・慢性虚血性心疾患・頭蓋、頭蓋内損傷・胸椎、腰椎以下骨折損傷・骨盤損傷のいずれもなし

DPCコード:160690xx99xx0x
DPC名称:胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)
DPC解説:手術なし、かつ副傷病名に誤嚥性肺炎なし

DPCコード:160780xx97xx0x
DPC名称:手関節周辺骨折脱臼
DPC解説:手術あり、かつ副傷病名に脊椎骨粗鬆症・2型糖尿病・代謝性疾患なし

DPCコード:160700xx97xx0x
DPC名称:鎖骨・肩甲骨骨折
DPC解説:手術あり、かつ副傷病名に脊椎骨粗鬆症・頭蓋、頭蓋内損傷・胸郭、横隔膜損傷・肩関節周辺の骨折脱臼なし


大腿骨近位部骨折は地域連携パスを利用(平均約60-70%)し、3-4週以内の回復期リハビリ病院への転院により在院日数は4週以内となっています。また骨粗鬆症リエゾンサービスを導入することにより、骨折後の投薬治療、在宅でのリハビリを積極的に導入し、再骨折予防に努めています。
橈骨遠位端骨折(前腕骨折)を含めた上肢の手術は手外科認定研修施設であることもあり、多くの患者さまがクリニックより紹介され、おおよそ3~4日の入院で手術治療をしています。急性期病院の役割を考え、基本的に骨折手術は受診後1-2日以内で行うように心がけています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 外傷性頭蓋・頭蓋内損傷(手術あり) 93 10.32 9.87 13.98% 77.88
160100xx99x00x 外傷性頭蓋・頭蓋内損傷(手術なし) 92 10.29 7.52 15.22% 65.20
010040x099x00x 脳内出血(手術なし) 76 20.14 19.35 53.95% 67.96
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつJCS10未満、エダラボンあり) 76 16.68 16.54 34.21% 74.68
010200xx99x00x 水頭症(手術なし) 34 4.82 7.70 8.82% 78.62
DPCコード:160100xx97x00x
DPC名称:外傷性頭蓋・頭蓋内損傷(手術あり)
DPC解説:減圧開頭術・頭蓋骨膜下血腫摘出術・頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)・脳切除術以外の手術あり、かつ中心静脈注射・人工呼吸・人工腎臓いずれもなし、かつ副傷病名にてんかん・肺炎・気管支炎・誤嚥性肺炎・水頭症いずれもなし

DPCコード:160100xx99x00x
DPC名称:外傷性頭蓋・頭蓋内損傷(手術なし)
DPC解説:手術なし、かつ中心静脈注射・人工呼吸・人工腎臓いずれもなし、かつ副傷病名にてんかん・肺炎・気管支炎・誤嚥性肺炎・水頭症いずれもなし

DPCコード:010040x099x00x
DPC名称:脳内出血(手術なし)
DPC解説:手術なし、かつ中心静脈注射・人工腎臓・人工呼吸・放射線治療いずれもなし、かつ副傷病名に肺炎・気管支炎・腎臓または尿路の感染症いずれもなし

DPCコード:010060x2990401
DPC名称:脳梗塞(発症3日以内かつJCS10未満かつエダラボンあり)
DPC解説:発症3日以内、かつJCS10未満、かつ手術なし、かつDSAなし、かつエダラボンあり、かつ副傷病名に水頭症・てんかん・肺炎等・呼吸器のアスペルギルス症・頻脈性不整脈・腎臓または尿路の感染症・脳性麻痺・敗血症・その他の真菌感染症いずれもなし、かつ発症前RankinScale0~2

DPCコード:010200xx99x00x
DPC名称:水頭症(手術なし)
DPC解説:手術なし、かつ中心静脈注射・人工呼吸いずれもなし、かつ副傷病名にてんかんなし


近年交通事故の減少など社会環境の変化と高齢化の影響で重症頭部外傷は減少傾向にあり、高齢者の転倒などによる比較的軽傷の頭部外傷の入院が多くなっています。そして受傷1-2ヶ月後に慢性硬膜下血腫により手術を要する症例が多く見られます。当院では脳神経外科・神経内科が協力して急性期脳卒中診療にあたっており、くも膜下出血・脳内出血は脳神経外科が担当し、脳梗塞は主に神経内科が担当しております。脳梗塞はクリニカルパスを用いており、また脳卒中連携パスを用いて回復期リハビリテーション病院との連携を図り、その結果平均在院日数の短縮およびスムーズな転院が可能となっております。当院は以前より特発性正常圧水頭症に対するシャント手術の経験が豊富であります。近隣医療施設からの紹介も多く、シャント手術の適応を決めるための髄液排除試験目的の入院が第5位となっております。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつJCS10未満、エダラボンあり) 80 15.71 16.54 21.25% 71.33
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつJCS10未満、エダラボンなし) 31 16.65 16.73 32.26% 72.29
010230xx99x00x てんかん 30 7.77 7.12 3.33% 61.10
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 27 6.41 6.38 0.00% 70.15
030400xx99xxxx めまい症(前庭機能障害) 24 3.13 5.24 0.00% 66.67
DPCコード:010060x2990401
DPC名称:脳梗塞(発症3日以内かつJCS10未満かつエダラボンあり)
DPC解説:発症3日以内、かつJCS10未満、かつ手術なし、かつDSAなし、かつエダラボンあり、かつ副傷病名に水頭症・てんかん・肺炎等・呼吸器のアスペルギルス症・頻脈性不整脈・腎臓または尿路の感染症・脳性麻痺・敗血症・その他の真菌感染症いずれもなし、かつ発症前RankinScale0~2

DPCコード:010060x2990201
DPC名称:脳梗塞(発症3日以内かつJCS10未満かつエダラボンなし)
DPC解説:発症3日以内、かつJCS10未満、かつ手術なし、かつDSAなし、かつエダラボンなし、かつリハビリあり、かつ副傷病名に水頭症・てんかん・肺炎等・呼吸器のアスペルギルス症・頻脈性不整脈・腎臓または尿路の感染症・脳性麻痺・敗血症・その他の真菌感染症いずれもなし、かつ発症前RankinScale0~2

DPCコード:010230xx99x00x
DPC名称:てんかん
DPC解説:手術なし、かつ中心静脈注射・人工呼吸いずれもなし、かつ副傷病名に肺炎・気管支肺炎・腎臓または尿路の感染症・薬疹いずれもなし

DPCコード:010061xxxxx0xx
DPC名称:一過性脳虚血発作
DPC解説:キセノンCTなし

DPCコード:030400xx99xxxx
DPC名称:めまい症(前庭機能障害)
DPC解説:手術なし


当院は阪神間に位置する救急病院であり、神経内科では昨年同様脳卒中のうち一過性脳虚血発作や超急性期から急性期、亜急性期の脳梗塞患者さまを担当し、tPAをはじめとする点滴治療と抗血栓薬による集約的治療および脳血管リハビリテーション、NSTチームによる全身栄養管理・指導を行って疾患の再発防止に努めています。また病状を評価しながら自宅退院、在宅ケア、回復期病床や療養型病床への転院など患者さま各々の状態に合ったゴール設定を行っております。また,むこねっとを介しての阪神間の基幹病院や医院・クリニックとの病床連携を通じて救急医療体制を構築し,更なる救急医療への貢献を目指していきます。
てんかんは救急患者さま、一般外来患者さまともに多く初発患者さまでは病型確定と薬剤調整目的で入院治療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 7
大腸癌 - - - - - - 1 7
乳癌 - - - - - - 1 -
肺癌 - - - - - - 1 7
肝癌 - - - - - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
患者数からみると大腸癌、次いで胃癌が多く、乳癌、肺癌、肝癌はほとんどありません。これは当院で5大癌を扱う科が、一般消化器内科・外科ということで、呼吸器、乳腺の専門医が不在であることも一因と考えられます。高度肝・胆・膵技術指導医を有する外科部長に加え、関連大学病院から常勤医1名増員され、今後幅広い症例の増加に期待しています。昨年に比べるとステージI,IIで発見された大腸癌の割合が増加しており、今後さらなる早期発見に向け努力したいと考えています。治療としては、内視鏡的治療に加え、腹腔鏡手術、開腹手術、抗癌剤治療を行なっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 29 7.93 46.48
中等症 59 13.42 81.59
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
重症度別に見ると、0-2の軽症から中等症の患者さまが94.6%と殆どを占めています。これらの患者さまの大半は、在宅あるいは施設入所中に発症した誤嚥性肺炎と考えられます。重症肺炎については、必要ならば地域内で連携している大学病院や3次救命センターへ転送するなどの対応が可能ですが、殆どの場合転送は不要です。当院では歯科医を交えた多職種での口腔ケアの実践を通じて誤嚥性肺炎の治療、予防に取り組んでいます。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 - 35 5.91 72.11 0.00%
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 434 19.32 75.29 38.02%
その他 57 14.70 72.16 26.32%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - 19 8.47 74.79 0.00%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
当院では、一過性脳虚血発作および脳梗塞患者さまの87.6%で発症3日以内に治療を開始できており、脳神経外科病院としての当院の認知度の高さの賜と考えられますが、この内でtPA治療を行えたのは年間30例前後で推移しており、市民健康講座等を通じたさらなる啓発活動が必要と考えています。また血栓回収術を行なったのは20例で年々増加しています。当院は18床という日本有数の脳卒中ケアユニット(SCU)を有しており、急性期の脳梗塞患者さまはほぼ全例SCUで管理されています。SCUでは、基本的に入院当日に評価を行ない、翌日より急性期リハビリを開始すると共に、栄養サポートチームによる栄養評価、ラウンドを行なうことで、リハビリに見合った栄養を提供し、筋肉量を保って効果的なリハビリを行なっています。また、できるだけ早期に回復期リハビリテーション病院への転院を促し、早期社会あるいは在宅復帰に向け地域で取り組むシステムを構築しています。リハビリと栄養に関する研究はNST主導で英文の論文として発表されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2cm未満) 54 0.48 1.31 0.00% 72.37
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 24 1.13 8.46 0.00% 84.04
K654 内視鏡的消化管止血術 18 0.67 9.28 16.67% 78.89
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 12 1.50 8.00 0.00% 63.58
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(直径2cm以上) - - - - -
当院の外来患者さまは抗血小板薬・抗凝固薬内服中の方が多いので結腸ポリープ粘膜切除術を行う時は抗血小板薬のバイアスピリン内服中の方は継続したままで行い、プラビックスなど他の抗血小板薬内服中の患者さまはバイアスピリンに変更して施行しています。ワーファリン内服中の患者さまはDOACに変更し、切除術を行う当日のみDOACを中止し、治療後出血が無い事を確認して速やかにDOACを再開して、後日ワーファリンに戻しています。ESD治療もバイアスピリン内服したまま治療をおこなっています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 11 3.27 7.18 0.00% 63.09
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) - - - - -
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) - - - - -
K6335 ヘルニア手術(鼡径ヘルニア) - - - - -
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - - - - -
①胆嚢摘出術及び虫垂切除術は、腹腔鏡下手術を可能な限り第1選択で施行しています。
②結腸切除術は、腹膜炎を伴う憩室炎や虚血性腸炎などでは開腹下での手術を行っています。本表には示されていないが、予定手術での結腸悪性腫瘍手術は腹腔鏡下で行うことが増加しています。
③ソケイ部ヘルニアは、従来の前方アプローチによる手術と腹腔鏡下手術手を行っています。
④上記術式はすべてクリニカルパスを用いており、治療の標準化・平均在院日数の短縮化に努めています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 127 1.19 18.18 54.33% 77.93
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿) 101 0.58 5.51 2.97% 52.14
K0483 骨内異物除去術(前腕、下腿) 89 0.81 1.54 0.00% 51.15
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 84 1.37 20.58 73.81% 82.27
K0484 骨内異物除去術(鎖骨、膝蓋骨、手、足、指、その他) 72 0.74 1.26 0.00% 48.86
高齢者の増加に伴い、大腿骨近位部骨折の手術数は①骨折観血的手術、②人工骨頭挿入術ともに増加しています。術前待機日数は①1. 19日②1.37日であり、当日もしくは翌日に手術をすることにより、機能予後(歩行能力)の維持につとめています。術後は地域連携パスを利用し、回復期リハビリ病院に転院し継続リハビリを行っています。骨粗鬆症リエゾンサービスを導入し、投薬、リハビリの継続をうながし再骨折予防につとめています。
手外科研修認定施設であることより、多くの上肢の骨折(橈骨遠位端骨折、鎖骨骨折、上腕骨骨折、手指骨折)の患者さまが紹介受診され、早期手術、早期リハビリにより受傷前のレベルに近づけるよう心がけています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 76 0.83 10.33 14.47% 78.07
K1742 水頭症手術(シャント手術) 31 3.13 12.29 22.58% 74.68
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 22 3.41 10.45 9.09% 73.91
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 20 0.60 34.20 90.00% 69.20
K178-4 経皮的脳血栓回収術 18 0.22 22.33 61.11% 75.89
脳神経外科で最も多い手術は慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術でした。術後は早期に麻痺などの症状が改善し自力歩行が可能となり、術後約9日で約9割の患者さまが自宅へ退院されております。当院は以前より特発性正常圧水頭症に対するシャント手術の経験が豊富であります。近隣医療施設からの紹介も多く、水頭症手術(シャント手術)が2番目に多い手術となっております。これは当院の大きな特色であると言えます。また、当院は「日本国内の脳神経血管内治療に関する登録研究3(JR-NET3)」に協力しており、血管内治療にも力を注いでおります。その結果頚動脈狭窄症に対する経皮的頚動脈ステント留置術が20名と第3位となりました。また、急性期脳梗塞に対する経皮的脳血栓回収術が第5位となっております。また、高齢化にともない当院では近年脳皮質下出血が多くみられ、開頭による脳内血腫除去術が第4位でした。上記術式はすべてクリニカルパスを用いて治療の標準化・平均在院日数の短縮化を図っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 14 0.36%
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 13 0.34%
異なる - -
当院では、播種性血管内凝固症候群(DIC)よる入院、および入院経過中のDIC発症は各1例で極めて少数でした。敗血症、その他の真菌感染症についても、何れも極めて少ない患者数で、かつ大半は入院契機であり、入院経過中に発症されたのは敗血症で僅かに3例のみ、真菌感染症は0でした。これらの疾患は何れも化学療法や、生物学的製剤による治療中に免疫力が低下した際に多く見られるものですが、そもそも当院ではそのような患者さまの絶対数が少ないことが大きな理由と考えられますが、院長直轄の感染対策室が、各種サーベイランスや院内ラウンド等を通じて感染予防に注力しているのも一因と考えられます。手術・処置等の合併症に関しても、様々な要因により目標の0には至りませんでしたが、13例(0.34%)と極めて少ないものでした。
更新履歴
2017/09/27
平成28年度版に更新
2016/09/26
新規公開