“神の手”福島孝徳先生のもとで脳腫瘍、三叉神経痛、顔面けいれんの手術を学んできました[その2]
Cadaver Dissection course@West Palm Beach(フロリダ州)でのレクチャー
西宮協立脳神経外科病院、脳神経外科部長の英賢一郎です。英は「はなぶさ」と読みます。前回(その1)につづき「神の手を持つ男」とも呼ばれる脳外科医、福島孝徳先生の下で学ぶべくアメリカ留学をした経験についてご紹介します。
ノースカロライナ州(NC)での生活
留学期間はわずか1年間でしたが、子供たちにもこのチャンスにアメリカ生活を体験させるため、家族を連れて行きました。
住んだ場所は州都のローリー(Raleigh)というところで、デューク大のあるダーラム(Durham)、NC州立大学医学部のあるチャペルヒル(Chapel Hill)とで囲まれる三角地域はリサーチ・トライアングル・パークと呼ばれ研究者も多く文化水準も高い地域です。
NC州は、日本人にとって馴染みが薄いかもしれません。東西に長く900km余りあり、これは東京から山口県までの距離にあたります。東の大西洋岸には人類初の有人飛行で有名なライト兄弟初飛行の地、西のアッシュビルという街には個人邸宅でアメリカ最大のビルトモア・エステート、国立公園の観光客数全米一のグレート・スモーキー山脈国立公園などたくさんの名所があります。気温は神戸と似ていますが、一日の気温差が大きく、多湿と言っても日本ほどではありません。高い晴天率で、青空は澄んでおり「カロライナブルー」と呼ばれています。私がNC州で気に入った点の1つがこの空の青さでした。
デューク大学のシンボルであるチャペルと、背後に広がるカロライナブルー
現地の小学校に入った2人の子供は当然、英語と文化の違いで大変でしたが、徐々に馴染んでゆきました。帰国前には普通に現地の友達と一生懸命英語で会話をし、一緒に遊んでいました。子供の適応力、語学の習得力は恐るべきもので、連れて行ってよかったと実感しました。また、現地の複数のアメリカ人家族とも友達になることができ、よくホームパーティーにも招いてもらいました。帰国前には大きなキャンピングカーをレンタルし、グランドキャニオンやモニュメントバレー、セドナといったアメリカ西部山間部有名スポットを1週間かけて回る旅も経験できました。
さいごに
頭蓋底外科解剖研究室にフェローとして所属し、国際脳神経外科教育研究財団(INRF)にて解剖実習コース・手術見学に参加したことを証明するもの
帰国後は、西宮協立脳神経外科病院にて、元の部長職で復職しました。当院はその名の通り脳神経外科を専門とする病院であり、救急はもちろんすべての疾患に対応できるように努力しております。私はこの分野に関して近くの大学病院にも負けないレベルで治療が完結できることを目指しております。
今回の留学が実現し無事終了できたことは、なにより多くの方々の理解と協力があったからに他なりません。さまざまな配慮をしてくださった元院長・三宅裕治先生(現西宮協立リハビリテーション病院院長)、理事長・大村武久先生、現院長・辻雅夫先生、関係する部署すべての皆さまに心より感謝申し上げます。