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脳神経外科って何をする科?

「脳外科? なんか怖い!」「名前は知っているけど、どういう病気を治してくれるのか分からない」「最近物忘れが多くて…… どこか悪いんかな?」と、我々脳外科医はしばしば耳にします。

 

 

通称、脳外科と言われますが、実際には脳神経外科といって脳と脊髄、神経を専門とし、中でも手術による治療を行う専門科です(ちなみに英語では neurosurgery 、訳すと神経外科で、脳を意味する brain は出てきません)。西宮協立脳神経外科病院では脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳動脈瘤、頚動脈狭窄など)、頭部外傷、脳腫瘍、頚椎を中心とした脊髄疾患も診察し、必要な場合は手術をしています。手術を必要としない頭痛、脳炎、髄膜炎、てんかんなどは脳神経内科と共同で診察しています。

 

当院は二次救急病院(入院や手術を要する症例に対する医療を行う病院)ですので、急な症状の出た患者さんの救急要請を24時間受け入れています。診察の結果によってはそのまま入院、緊急手術ということも珍しくありません。

 

 

 

脳神経外科の手術

手術には実際に頭を直接切る開頭術と、最近急速に進歩した脳血管内手術(カテーテル治療)に分けられます。

 

 

例えば、脳の血管が急に詰まる急性期脳梗塞で、点滴では溶けない血栓(血管内を詰めてしまった血の塊)をカテーテルで取り除く治療はこの脳血管内手術です。また、同じ脳血管の病気でも、直接患部に到達して治療を行う開頭術の方が治療効果がよい場合もたくさんあります。例えば、脳腫瘍を摘出するにはその多くが開頭術を要します。手術では正常な脳や血管を傷つけないように治療します。このために開頭術では頭蓋骨をうまく削って安全に病気の部分まで到達できるような工夫が必要です。脳や血管は非常に細かいので、肉眼ではなく、通常20倍程度まで拡大できる手術顕微鏡を使って安全に手術をしています。大事な箇所を傷つけないように手順を踏み進んでいくので、病気によっては長時間の手術になることもあります。

 

 

 

私は大丈夫……?

脳神経外科では病気の予防も行います。脳梗塞、脳出血といった種類の「脳卒中」は、高血圧症などの生活習慣病を薬で治療していることが非常に重要です。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の存在は脳のMRA検査(MRIを用いた血管造影)で判明します。破裂リスクの高い脳動脈瘤は、手術でくも膜下出血を予防します。

 

キッズトライアル西宮協立の1コマ

 

「脳の手術が必要」と言われると多くの人は恐怖を感じるかもしれません。医師により得意領域が異なり、私は主に開頭術を担当していますが、どんな手術でも、病気のこと、手術が必要である理由、合併症の起こりえるリスクと割合などを、できるだけ分かりやすく説明するように心がけております。心配な症状がある場合は外来受診をおすすめします。

 

 

( 2017.05発行│広報誌「甲友会ナウ」No.37より)

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